囲碁と素数

Igo and prime number

2023-01-01から1年間の記事一覧

第15回 対馬海峡、その2

(2023年9月18日(月曜)、前14回から続く) 白嶽登山が天候により今日、月曜になったことを考えると、旅程計画中に対馬の天気予報が分かってきた時点で(前の週)、行動日がもう一日(月曜)必要になりそうだ、という判断は正解だった。 19日(火曜)、帰りのフェリー…

第14回 対馬海峡、その1

第14回では、はじめて現在進行中のことについて書いてみたい。これまで、いくつかの世界的に重要な海峡を見に行って来た。地中海から大西洋に出る出入り口のジブラルタル海峡、ヨーロッパとアジアをつなぐ境(ユーラシア大陸、地中海と黒海が接する)にあるボ…

第13回 四つのヨコ串

第13回では、前回の議論、科学の発見の積み重ねという縦の矢印、それに対をなすもう一方の縦の矢印である、コンピュータ上に築かれた我々の世代の技術社会が、互いにフィードバックするような関係で発展をして来たこと。それら縦の間をつなぐ横軸、ヨコ串の…

第12回 地政学的な半導体競争

はじめは、個人的なことから少し書きたい。 日本のDRAMメモリーなどがトップとなった頃 IEDM, Technical Digest 1989, 89-629, Itaru Kamohara, Kazuya Matsuzawa, Tetsunori Wada, Kenji Natori “IMPACTS OF MODIFIED CHARACTERISTICS ON 0.1 μm MOSFET SPE…

第11回 S-Bahn

数年前、ミュンヘンの中央駅のホーム・ベンチに座っていたら、偶然、近郊電車(Sバーン)の西行き(パージング)と東行き(家のある方向のオスト・バーンホフ)の行き先電光掲示板が隣り合って見えました。 ここで、ホームが西行きと東行き(つまり、上りと下り)で…

第三部、量子コンピュータのその4

これまで、2回にわたって量子コンピュータの基礎を説明してきて、話が長くなってしまった。これも、量子コンピュータの概念そのものが、奥深く、新しいものであるためである。 第二部で示したアルゴリズムの誕生とソフトウェアの図に、さらに量子コンピュー…

第三部、量子コンピュータのその3

次にの最も簡単な場合について、物理的なハードウェアの部分も含めて、量子転送について説明したい。つまり、 =1 恒等変換の場合である。これは入力>が出力>にそのまま伝わるが、入力装置と出力装置の間で距離が離れていれば、ある距離間の転送が行われたと…

第三部、量子コンピュータのその2

前々回に続いて、 量子とは 重ね合わせ ビット、量子ビット ドイチュのアルゴリズム 量子3ビット 量子転送 ベルの不等式の破れ グローバー、ショアのアルゴリズム 等々についての説明が必要になるが、遠回りになるようでも、これらを既に説明してきたアルゴ…