囲碁と素数

Igo and prime number

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第33回 富士山の宝永山登山

富士山は20年以上前に2回登った。70才を過ぎた今は、富士登山は周りに迷惑をかける以外の何物でもないので、宝永山に登ることを思い立った。しかし、この考えが少し甘かったことは後にわかる。7月の末、静岡県側の富士宮登山口の五合目まで富士宮からの富士…

第32回 地域社会

ある自治会 趣を変えて、ある仮想の自治会での幹事会の1年を振り返ってみたい。 400戸ほどの住民をかかえる集合住宅、マンションの自治会だが、近年自治会を抜け(50戸ほど)、管理組合だけに入る住戸・住民も多い。 輪番で回ってきた新任の幹事は、各部と三役…

第31回 ブラック=ショールズ方程式、伊藤の理論 その2

前回 その1の最後で、2つの確率微分方程式からの係数が一致するとして得られた方程式には、もはやが含まれない偏微分方程式として得られたことがわかる。 最後にpとqを求め、それを得られた方程式に代入すると 最終的に (25) これで、ブラック=ショールズ方…

第30回 ブラック=ショールズ方程式、伊藤の理論 その1

確率の話は、地震の問題や経済の話、ミクロ経済、マクロ経済で重要な役割をする。今回は経済にからめて確率、確率微分方程式について考えたい。先ず、マクロ経済については、私はリフレ派の立場をとっていて、景気の気については、現在(2026年はじめ)日本が…

第29回 囲碁と素数とは その3

その2 から続く。素数→囲碁 抽象的な話になり過ぎないように、これまで述べて来た囲碁の特性が具体的にゲームの進行にどう現れているかがわかるように、ある対局の進行を解説しておくことにする。通常、碁では四隅から打ちはじめて(地を囲う効率が良いので)…

第28回 囲碁と素数とは その2

前回からの続き。復習も兼ねて、ここまでの式、定理の関係を整理して示す。 素数階段 Euler積表示 (1.2)中村 ゼータ関数 定理1.2松本 (i) ゼータ関数 は複素全平面に有理型関数として解析接続でき、s=1を除いて正則、 (ii) s=1は の1位の極であり、そこでの…

第27回 囲碁と素数とは その1

今回は素数に関して、リーマンのゼータ関数、リーマン予想について書いてみたい。 そこで、本ブログのタイトルである「囲碁と素数」につながる話にできれば、というのが目論見である。 数学的な骨組みについては、「リーマンのゼータ関数」松本耕二、朝倉書…

第26回 ゲージ理論、素粒子論 その2

第24回からの続き。 一般相対性理論の重力 における、電磁ポテンシャルに相当するものは何か、と考える。前回その1の「究極理論への道」米谷 民明、岩波書店 2021年から、引用。第19回一般相対性理論において共変テンソル等々をやったことも思い出そう。 本…

ドイツ年金 Postident 生存証明

ドイツ年金の生存証明をPostidentで行う場合、夜にやる方が成功する? 昨年からドイツ年金の生存証明をPostidentで行い、苦戦している。パスポートの証明写真のホログラムを手元で何度か傾け(縦と横方向に少し回転)、スマホを通じて機械認識させるところが難…

第24回 ゲージ理論、素粒子論 その1

今回は、前々回からの続きで、ゲージ理論を理解するのが目的である。言い換えると、素粒子論、場の理論などの20世紀後半から、21世紀を代表する科学理論の物理と数学的な本質の考察である。 もっとも、最先端の物理学である素粒子論や宇宙の始まりなどを解明…

第23回 高野山、比叡山、敦賀の旅

1日目は、新横浜発ひかりで旅のスタート。大阪駅は以前と変わっていたので、乗り換えに手間取る。環状線右回りに乗り、新今宮で下車。通路の反対側で南海の切符を買った。関西の私鉄は勝手がわからないが券売機は使いやすかった。南海高野線は岡潔(多変数複…

第22回 大きな知的進歩

ポアンカレ予想(1904年提出、日露戦争が始まった年)の証明が人類にとって大きな知的進歩であることは間違いありません。 私たちの宇宙が、第17回で書いたようにインフレーションやその後のビッグバンによって生まれたのであれば、宇宙の大きさは有限であると…

第21回 ペレルマン--ポアンカレ予想 その2

前回、その1に続いて、 「3次元リッチフローと幾何学的トポロジー」戸田正人、共立出版 2017年 の 第4章、リッチフローの特異性 (4章だけで、ほぼ100ページある) に進み、ペレルマンのアイデアとポアンカレ予想の解決を数学書の形で詳細に説明する。それでも…

第20回 ペレルマン--ポアンカレ予想 その1

ポアンカレ予想を証明した数学者 今回は、数学者ペレルマンの話をとりあげる。 ポアンカレ予想と呼ばれる「多様体上のあらゆる閉じたループを一点に縮めることのできるすべてのコンパクトな3-多様体は3-球面と位相的に同じ(つまり同相)である。」を証明した…

第19回 一般相対性理論の解

前々回、宇宙の話、宇宙誕生の話もしたので、重力の理論、アインシュタインの一般相対性理論にも少しふれてみたい。 ほとんど、次の本の受け売りではあるが。 「一般相対論入門」須藤 靖、日本評論社2005, 19年 時空や計量、測地線方程式の話は飛ばして、い…

第18回 神奈川の地史、地形

私の住んでいる横浜近辺は谷戸(地形)が広がる。また、鎌倉の地史、これは鎌倉散歩に便利なもので 「鎌倉の自然」H13年度版、鎌倉市教育委員会刊 娘が学校で使った教材をもらった。さらに 「大いなる神奈川の地盤」(社)地盤工学会関東支部神奈川県グループ、…

第17回 宇宙史年表

地球誕生後の歴史46億年は、宇宙誕生が139億年前に遡るという、自然科学の知見からすると、その宇宙の歴史全体の中でそれ程最近ではないということになる(1/3程度を占める)。もちろん、実感として感じられる訳ではないが。言い換えると、地球、あるいは、太…

第16回 冥王代生命学・地球史年表

「冥王代生命学」について紹介したい。 以前に第13回で生物にふれたことがあるが、私自身は、生物、化学は昔からあまり得意ではない。有機物、inhibitor…うんぬんには少し、仕事にも関係があり、勉強はしたことはあるが。DNA、遺伝子に関したことについても…

第15回 対馬海峡、その2

(2023年9月18日(月曜)、前14回から続く) 白嶽登山が天候により今日、月曜になったことを考えると、旅程計画中に対馬の天気予報が分かってきた時点で(前の週)、行動日がもう一日(月曜)必要になりそうだ、という判断は正解だった。 19日(火曜)、帰りのフェリー…

第14回 対馬海峡、その1

第14回では、はじめて現在進行中のことについて書いてみたい。これまで、いくつかの世界的に重要な海峡を見に行って来た。地中海から大西洋に出る出入り口のジブラルタル海峡、ヨーロッパとアジアをつなぐ境(ユーラシア大陸、地中海と黒海が接する)にあるボ…

第13回 四つのヨコ串

第13回では、前回の議論、科学の発見の積み重ねという縦の矢印、それに対をなすもう一方の縦の矢印である、コンピュータ上に築かれた我々の世代の技術社会が、互いにフィードバックするような関係で発展をして来たこと。それら縦の間をつなぐ横軸、ヨコ串の…

第12回 地政学的な半導体競争

はじめは、個人的なことから少し書きたい。 日本のDRAMメモリーなどがトップとなった頃 IEDM, Technical Digest 1989, 89-629, Itaru Kamohara, Kazuya Matsuzawa, Tetsunori Wada, Kenji Natori “IMPACTS OF MODIFIED CHARACTERISTICS ON 0.1 μm MOSFET SPE…

第11回 S-Bahn

数年前、ミュンヘンの中央駅のホーム・ベンチに座っていたら、偶然、近郊電車(Sバーン)の西行き(パージング)と東行き(家のある方向のオスト・バーンホフ)の行き先電光掲示板が隣り合って見えました。 ここで、ホームが西行きと東行き(つまり、上りと下り)で…

第三部、量子コンピュータのその4

これまで、2回にわたって量子コンピュータの基礎を説明してきて、話が長くなってしまった。これも、量子コンピュータの概念そのものが、奥深く、新しいものであるためである。 第二部で示したアルゴリズムの誕生とソフトウェアの図に、さらに量子コンピュー…

第三部、量子コンピュータのその3

次にの最も簡単な場合について、物理的なハードウェアの部分も含めて、量子転送について説明したい。つまり、 =1 恒等変換の場合である。これは入力>が出力>にそのまま伝わるが、入力装置と出力装置の間で距離が離れていれば、ある距離間の転送が行われたと…

日本の半導体産業

かつて5割近くあった (1980年代)世界の中での日本の半導体生産額が今では5%と1/10にまで落ち込んだことは、日本にとって大変な問題である。 原因として挙げられるのは、1)メモリ生産が中心で需要、価格変動の激しいメモリへの投資が負担になった 2) 1980年代…

第三部

量子コンピュータ はじめに、現在のコンピュータの世界を築いた基礎である半導体技術について述べた。第二部では、その上に立つソフトの世界(の中の一部)についてふれた。それらは1, 0の世界として成り立っていた。コンピュータの基礎である半導体トランジス…

第二部

ソフトウェアの中から注目されている3分野を抜き出した。これらの発展を支えた半導体技術との関係を示すために、左下の部分を加えた。第2回その1で述べた好循環の関係は、半導体設計を介して、これらソフトウェアとの間でもフィードバックのループを形成して…

第2回 その3

物理限界 さらなる微細化を進めていく先には、物理的限界が見えてくる。その第一は、素子のソース・ドレイン活性領域を構成している不純物イオン注入された不純物イオンの数が、素子の微細化の進展で減少するために生じる効果である。数が減ると不純物イオン…

第2回 その2

その1 (アルゴリズムの誕生)に続いて、簡単にLSIチップのまとめを行った後、LSIの歴史について書く。 LSIチップの種類と用途 メーカー cpu Intel, AMD, ARM Intel, AMD 特定用途用ロジック Qualcomm, NVIDIA TSMC メモリ DRAM (R. Dennard 1967), Samsung, S…