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(2023年9月18日(月曜)、前14回から続く) 白嶽登山が天候により今日、月曜になったことを考えると、旅程計画中に対馬の天気予報が分かってきた時点で(前の週)、行動日がもう一日(月曜)必要になりそうだ、という判断は正解だった。 19日(火曜)、帰りのフェリー…
第14回では、はじめて現在進行中のことについて書いてみたい。これまで、いくつかの世界的に重要な海峡を見に行って来た。地中海から大西洋に出る出入り口のジブラルタル海峡、ヨーロッパとアジアをつなぐ境(ユーラシア大陸、地中海と黒海が接する)にあるボ…
第13回では、前回の議論、科学の発見の積み重ねという縦の矢印、それに対をなすもう一方の縦の矢印である、コンピュータ上に築かれた我々の世代の技術社会が、互いにフィードバックするような関係で発展をして来たこと。それら縦の間をつなぐ横軸、ヨコ串の…
はじめは、個人的なことから少し書きたい。 日本のDRAMメモリーなどがトップとなった頃 IEDM, Technical Digest 1989, 89-629, Itaru Kamohara, Kazuya Matsuzawa, Tetsunori Wada, Kenji Natori “IMPACTS OF MODIFIED CHARACTERISTICS ON 0.1 μm MOSFET SPE…
数年前、ミュンヘンの中央駅のホーム・ベンチに座っていたら、偶然、近郊電車(Sバーン)の西行き(パージング)と東行き(家のある方向のオスト・バーンホフ)の行き先電光掲示板が隣り合って見えました。 ここで、ホームが西行きと東行き(つまり、上りと下り)で…
これまで、2回にわたって量子コンピュータの基礎を説明してきて、話が長くなってしまった。これも、量子コンピュータの概念そのものが、奥深く、新しいものであるためである。 第二部で示したアルゴリズムの誕生とソフトウェアの図に、さらに量子コンピュー…
次にの最も簡単な場合について、物理的なハードウェアの部分も含めて、量子転送について説明したい。つまり、 =1 恒等変換の場合である。これは入力>が出力>にそのまま伝わるが、入力装置と出力装置の間で距離が離れていれば、ある距離間の転送が行われたと…
かつて5割近くあった (1980年代)世界の中での日本の半導体生産額が今では5%と1/10にまで落ち込んだことは、日本にとって大変な問題である。 原因として挙げられるのは、1)メモリ生産が中心で需要、価格変動の激しいメモリへの投資が負担になった 2) 1980年代…
量子コンピュータ はじめに、現在のコンピュータの世界を築いた基礎である半導体技術について述べた。第二部では、その上に立つソフトの世界(の中の一部)についてふれた。それらは1, 0の世界として成り立っていた。コンピュータの基礎である半導体トランジス…
ソフトウェアの中から注目されている3分野を抜き出した。これらの発展を支えた半導体技術との関係を示すために、左下の部分を加えた。第2回その1で述べた好循環の関係は、半導体設計を介して、これらソフトウェアとの間でもフィードバックのループを形成して…
物理限界 さらなる微細化を進めていく先には、物理的限界が見えてくる。その第一は、素子のソース・ドレイン活性領域を構成している不純物イオン注入された不純物イオンの数が、素子の微細化の進展で減少するために生じる効果である。数が減ると不純物イオン…
その1 (アルゴリズムの誕生)に続いて、簡単にLSIチップのまとめを行った後、LSIの歴史について書く。 LSIチップの種類と用途 メーカー cpu Intel, AMD, ARM Intel, AMD 特定用途用ロジック Qualcomm, NVIDIA TSMC メモリ DRAM (R. Dennard 1967), Samsung, S…
第1回で強引に「囲碁と素数」を半導体の世界と結び付けたので、そのつながりから話をはじめたい。 アルゴリズムの誕生 アルゴリズムの誕生とは、ここでは大型計算機の上のような古くからの計算手続き、ソフトウェア誕生のことを言うのではない。IC、LSI(Larg…
第1回 棋力をほこるアマチュアではありませんが、囲碁の面白さを囲碁AIのトレーニングを受けながら味わっています。その面白さに素数の奥深さに通じるものがあるように感じています。ルールの少ない、しかし、無限があるゲームと乱雑さのきわ(際)を無限に表…